2013年1月24日木曜日

有元利夫展②


欠けているということで 欠ける前より
より強く在るというようなこと

そんな言葉が掲げられていて
何度も反芻しては 繰り返し 衝撃を感じていました





















ざっくりと欠け落ちて
埋めようのない穴にとらわれていた日々には
そんなふうに思えたことは一度もありませんでした

けれど 欠けていたからこそ
差しのべられた手や 降りそそがれた光があり
私はそれらによって相当 補完されていた

そのことをおもいました


うつくしい世界でした

この青を胸にいだいていこう・・・
いとおしく すがすがしい青に おもいました

彼の描く人々は
とりたてて愉快そうな顔もしていないのですが
絶望もしておらず

静かに昂揚し
至福に満ちて
その時の中にあるように見えます

さりげなく 
なにものかを育みながら

物語は これからはじまるのだと

あるいは
すでにはじまっているのだと