2014年8月6日水曜日

高橋源一郎さんの本


手ががり② で書いた『街場の憂国会議』の執筆者の中では
高橋源一郎さんの論調が好きでした
こんなふうにやわらかく要点をついてくれる人を織り交ぜていただけると
いい具合に緩急つけながら読み進んでいけます

他の著者と同様、この方が書いたものを見聞きするようになったのも最近のこと
興味深いと思ったのは雑誌 『GQ JAPAN』 のサイトで読める連載

同じく、「非電化工房」 訪問のお話もとても面白いです
高橋源一郎さんのスタンス、視点が、好きなのだと思います

そんなわけで早速


高橋さんと共に「弱さの研究」をしたという辻信一さん
との対談集『弱さの思想』から読んでいます

『101年目の孤独』の方は『GQ JAPAN』に掲載された連載を
修正・加筆してまとめたもの

イギリスの子どもホスピス、「マーティンハウス」のことは両方に出てくるのですが

読んでいると
泣きたくなります

究極の「弱さ」が持つ、強さ、やさしさ、聡明さが訴えるもの、教えてくれるもの
それを汲み取り、共に生きているひとたちの姿(を伝える高橋さんの文章)は
こちらの表面的だったり、浅はかだったりする部分を自覚させ
目をそらしていたものを、そっと視野の内に差し示してきます
あくまでも、そっ と・・・ 

他にも様々な取り組みが紹介されています
強いことや、一番であること、効率がいいこと・・・
そういう、競争や闘いを孕んだ、一部の者が恩恵を享受するための価値ではなく
誰もが内包している「弱さ」というものを中心に据えた
「支え合う」(支援しながらむしろ弱き存在から学ばされたり、癒されたりという)
取り組みや地域づくりが、ある所には在るのですね
(それはもう、スゴイんです☆

そういう社会がいい! という想いが集まれば・・・


高橋源一郎さんの文章は
私にとって
「どこに希望を見いだすか」ということの手がかり
であるように思います

きゅっ と緊迫してしまっているものを
にこっと ほぐして

真上じゃなくて遠くの空を
仰ぎ見るような




『街場の憂国会議』では、高橋源一郎さんの他に
内田樹さんの「株式会社化する国民国家」や
想田和弘さんの「安倍政権による“民主主義の解体”が意味するもの」も
かなり合点のいくものでした

あーー ナルホドね☆
安倍政権はなんでこんなに平気で非・民主主義的なことをするのだろう
と思っていたけれど、今や彼の敵は「民主主義」で
目指しているのは効率の良いトップダウンの独裁制的なもので
「国家権力」を縛ってきた憲法を、今度は「国民」を縛るものに変えたいわけなの
ナットク☆

(と喜んでいる場合ではなく(-"-)
(そんな手法は支持しません、という意志表明をすることが大事かと思いますが

安倍政権が何をしようとしているのか、日本をどうしようとしているのか、についての考察は
今起きていることを理解するのにとても役立ちました
非常にスッキリ☆

手元にある数冊を読んだら、お次は想田さんのブックレット、いってみます